経営戦略とサステナビリティ
2015年に採択された「パリ協定」では、今世紀後半に溫室効果ガスの排出量を実質ゼロにし、世界の平均気溫上昇を産業革命前に比べて2℃未満に抑えるという目標が掲げられました。ダイキンはパリ協定に賛同し、2050年に向けて溫室効果ガス排出実質ゼロをめざす「環境ビジョン2050」を策定。戦略経営計畫「FUSION20」の後半3カ年計畫に反映するとともに、2030年を目標とする中長期戦略づくりを進めています。
長期的視野に立って2050年の社會変化を予測し、ダイキンの事業活動におけるリスクと機會を洗い出し、ダイキンが持つ資源から環境課題解決のために進むべき方向を導き出しました。
ダイキンの事業と地球環境とのかかわりを踏まえ、既存の社會シナリオからダイキンの事業を取り巻く2050年の社會を捉え、長期的な環境課題を特定しました。
參考にした社會シナリオ
上記で特定した環境課題について、當社の事業リスク?機會を洗い出しました。
その上で、ダイキンが持つ資源から課題解決のために進むべき方向を導き出しました。
當社製品から生じる溫室効果ガス排出をライフサイクル全體を通じて削減します。
さらに社會と顧客をつないだソリューションを創出し、ステークホルダーと連攜して、溫室効果ガス排出実質ゼロをめざします。
IoT?AIやオープンイノベーションを活用し、グローバルな環境課題の解決に貢獻しながら、世界の空気に関するニーズを満たし、安心で健康な空気空間を提供します。
當社製品が生み出す新たな空気の付加価値を世界に創出し、さらに製品?ソリューションで溫室効果ガス排出実質ゼロをめざすべく、空調事業の將來を分析したうえで、2030年目標を設定し、戦略経営計畫「FUSION」で施策を展開し実行します。
冷房の需要が急増する將來予測は、主力事業が空調事業である當社にとって大きな機會となります。その一方、気候変動が世界的な課題となり、脫炭素化が求められる社會において、空調の電力消費や溫室効果ガス排出の増加は、空調事業を持続するうえでの大きなリスクとなります。
そのため當社では、電力消費の抑制や冷媒の漏洩防止などの環境負荷低減に加え、高効率空調機や低溫暖化冷媒の開発?普及、建物と連攜したエネルギーの効率的活用などの新たな環境ソリューションの創出に取り組むことで、気候変動をはじめとした社會課題解決への貢獻と、事業のさらなる成長の両立をめざします。
國際エネルギー機関(IEA)が2018年5月「The Future of Cooling」を発表しました。世界的な電力需要の伸びを左右する重要な要素の一つとして、エアコンの使用に著目したものです。
同レポートによると、冷房の需要は2050年までに急増し、冷房に起因する世界の電力需要は3倍になると予測されています。