ニュースリリース
國立循環器病研究センター
株式會社クロスエフェクト
ニプロ株式會社
ダイキン工業株式會社
國立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:小川久雄、略稱:國循)の西村邦宏予防醫學?疫學情報部長及び白石公教育推進部長と、株式會社クロスエフェクト(京都府京都市、代表取締役:竹田正俊、以下クロスエフェクト)と、ニプロ株式會社(大阪府大阪市、代表取締役社長:佐野嘉彥、以下ニプロ)と、ダイキン工業株式會社(大阪府大阪市、代表取締役社長兼CEO:十河政則、以下ダイキン工業)とは、4者による開発チームを結成し、新たに純國産の醫療用高性能マスク(N95 相當)を共同開発することとなりました。年內にも先ずは小量での國內生産販売開始を目指しています。
N95 マスク(注1)に代表される醫療用高性能マスクは、新型コロナウイルスの世界各國での感染拡大により、全世界的に不足が続いています。特にエアロゾルが発生するような手技(気管內吸引、気管內挿管、下気道検體採取、歯科治療等)を伴う診療場面では N95 マスクの使用が推奨されますが、多くの市中病院では入手し難い狀況が続いており、厚生労働省が、本來は使い捨てされるべき N95 マスクについてやむを得ず再利用する等の例外的取り扱いについて事務連絡を発出せざるを得ない狀況にあります。
このような狀況下、國循は國立高度醫療研究センターとして、自施設病院だけでなく、國內の他の病院、そして海外でも広く活用できる醫療用マスクを創出するべきと考え N95 相當の醫療用高性能マスクの獨自開発に著手しました。開発品は、(1)柔軟性のある素材を使用するとともに日本人の標準的な顔面形狀を元に形狀を設計することで口元に密著可能で長時間の連続裝著にも耐えうる、(2)フィルターカートリッジ部分を著脫交換可能とし、本體部分が繰り返し利用可能であるという特徴を有します。また、DS2 規格(注2)に準拠した評価試験を実施し、作製した試作品が N95 マスクに相當する性能を示す結果を得ております(參考図)。將來的にはN95 規格及びDS2 規格の認証を目指します。
國循は、醫療現場のニーズを元にしたコンセプト立案を行うと共に、試作されたマスクを臨床現場で評価することでコンセプトの実証を行います。クロスエフェクト(國循內のオープンイノベーションラボ(注3)に入居)は、精密3D プリンティングを応用した獨自の技術により生産に向けたマスクの設計?改良?試作及び金型の作成を行います。ダイキン工業は、フィルター開発?化成品開発で培った技術を生かし、當該マスクに使用する高性能フィルターの開発を擔います。ニプロは、樹脂製の醫療用品製造で培った製造管理體制及び販売チャネルを活かし、最終製品としての醫療用高性能マスクの大量製造?販売を擔います。
醫療施設に従事する醫療従事者(醫師?歯科醫?看護師?就業歯科衛生士)は約172 萬人(平成30 年版厚生労働白書?平成30 年衛生行政報告例)存在し、多くの醫療従事者が新型コロナウイルスの感染リスクに直面しています。開発チームは、いち早く醫療従事者を感染リスクから解放すべく、新しい醫療用高性能マスクの実用化を目指し、ひいては國民の健康福祉の向上に貢獻したいと考えております。
(注1) N95 規格(米國労働安全衛生研究所が制定した呼吸器防護具の規格基準)を満たすマスク。5μm 以下の微細粒子(飛沫核等)を95%以上捕集することで、著用者のウイルス等病原體の感染リスクを減じることができる。
(注2) 産業用の使い捨て式防じんマスクに対し日本の厚生労働省が定めた規格。DS2 規格を満たすマスクは、N95 マスクと同様に5μm 以下の微細粒子を95%以上捕集することが可能である。
(注3) 國循と協働する外部機関を“一つ屋根の下”に結集した研究拠點。民間企業、大學などの外部機関が、循環器疾患等の様々な疾患の治療、健康維持?増進に関する幅広い分野における共同研究(産學連攜活動によるアカデミア発研究成果の社會実裝)を促進する?,F在約20社(組織)が入居している。
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