新たなDAIKINの価値を創る、核となる技術をご紹介
地球環境面において,省エネ性の高いインバータエアコンをグローバルに普及拡大させることは大変重要であり,そのために安価なインバータ技術が求められている。
一方,歐州や中國などにおいては,インバータが発生する電源高調波に対して,日本以上に厳しい規格が定められている。そのため,リアクトルの大容量化やPFC回路追加等のトポロジー上の工夫をすることで,電源高調波規制への対応がなされており,インバータ高コスト化の一因となっている。
この問題に対して,ダイキンでは,インバータの低コスト化と電源高調波規制対応を両立させる電解コンデンサレスインバータの技術開発を推進している。
この技術は,大型/高コスト部品である,電解コンデンサ,リアクトル,PFC回路を削除しつつ,インバータ制御により入力電流の高調波成分を低減し,グローバルで最も厳しい電源高調波規制に対応するものである。図1は家庭用エアコン向けとして使われる単相電源用の電解コンデンサレスインバータの回路図であり,非常にシンプルな回路構成で実現できる。また,業務用エアコン向けとして,三相電源用の電解コンデンサレスインバータも同様に実現している。
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エアコンの中でも消費電力が大きい圧縮機駆動用のモータの省電力化が重要で、特に圧縮機の中?低速回転領域でのモータの効率向上が実現する為に新たなモータ形式の実用化が必要だった。省電力化において、【モータ電流を低減し電力損失を低減する】【モータの効率を低下させずモータ回転數を増大させる】が重要だ。従來、この2つの両立は不可能と考えられていた。そこで、モータの回転子內部に希土類ネオジム永久磁石を埋め込む構造に著目。図1の電磁場シミュレーションを駆使しエアコンの冷暖房能力の増大要求に対しても中低速回転域の高効率特性を犠牲にすることなく、低速~高速回転の広い範囲での高効率化を達成。具體的には小容量家電モータでは前例のないレベルのモータ効率95%もの高効率化を世界で初めて理論的、実験的に実証し、エアコンとして年間消費電力量半減(年間電気代半減)に大きく貢獻した。また図2のモータは重希土類ディスプロシムを大幅に削減した世界初の実用化されたエアコン用小型モータであり、希土類元素の資源問題にも貢獻した。
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選ばれ続ける差別化技術/圧縮機開発
インバータ商品において省エネ(高効率)を実現するダイキンの圧縮機の獨自技術は大きな強みとなっている。そもそも圧縮機というのはエアコンの消費電力の80~90%を占める。つまりこの大部分の電力を消費する圧縮機のエネルギー効率を上げる事ができればエアコンは大きく省エネ化が進むという事である。昨今、省エネというのは経済的にも環境的にも見過ごす事のできない課題である。そこでダイキンは獨自のテクノロジーを使ってこの課題に取り組んだ。その中でも特に特筆すべきテクノロジーは①漏れ損失を低減するスイング構造、②背圧コントロールスクロール構造、③高効率シングルスクリュー構造、④高信頼性ターボ圧縮機を実現する磁気軸受技術の4點である。これらはダイキンが拘っている技術だからこそ実現できた事である。ダイキンにしかできない、だからこそ市場から必要とされ、選ばれ続けていると私達は考えている。今後はダイキン內部に留まらず、更なる進化を求めて外部協創にも取り組み、未來のアタリマエを作り続けていく。
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熱交換器は、ヒートポンプ空調機の熱搬送媒體である冷媒と、空調を行う空気との間で熱の授受を行う役割を擔っており、冷媒が流れる伝熱管と空気との熱交換を行う伝熱面であるフィンから構成されている。ヒートポンプの省エネ性を高めるため、伝熱管の細徑化やフィンの形狀の工夫を行ってきたが、近年では要素の高性能化だけでなく、熱交換器のサイズを大置する機器が大きくなること、また熱交換器の中に保有される冷媒量が増えるなどの課題がある。
そこで、ダイキンでは熱交換器の性能向上と、コンパクト化を両立する技術としてマイクロチャネル熱交換器の適用を進めている。マイクロチャネル熱交換器は、扁平多穴伝熱管と呼ばれる1mm未満の冷媒経路群からなる伝熱管を用いており、冷媒が接する面積を増やすこと、また伝熱管が空気の流れを阻害しないことなどのメリットから熱交換器の性能を向上することが可能である。この構成の熱交換器は、ヒートポンプ空調機で用いる場合に暖房運転時に熱交換器の表面に発生する凝縮水や溫度の低い條件で発生する霜がフィンに殘りやすいという課題があったが、形狀を工夫することでその課題を克服した。
従來の形態の熱交換器に対して、同能力で大幅なコンパクト?軽量化と、冷媒保有量の削減を実現している。
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ヒートポンプ向けマイクロチャネル熱交換器
空調機におけるファンの役割は効率的な熱交換の促進による環境社會への貢獻と、気流制御や靜音化によるユーザーへの快適な住環境の提供であり、ダイキンでは生體模倣などによるファン高度化やコアンダ効果を用いた室內循環気流によってこれを実現してきた。
一方、グローバルに展開していく中でデザイン指向の高まりやより低騒音な製品を求めるなど、ニーズが多様化してきており、それを実現するファン?風周り構造は従來の標準化設計による対応では難しくなってきた。
これに対し、シミュレーションによる電力消費を最小とする風周り構造の最適化や多連結ソウエッジクロスフローファン(図參照)を用いた家庭用デザインエアコン「risora」を開発。また、流れ場と音場を同時にシミュレーション(図參照)することで音の発生メカニズムを解明し、低騒音かつ不快と感じる特異な音を抑制した製品開発を行っている。
今後は、空調機における外部影響(建物の間取り?斷熱性能、外気、日射など)や人の溫冷感などを考慮することで実環境下においても、より快適な環境を提供する気流制御技術の研究?開発に取組んでいく。
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ソウエッジクロスフローファン
VRVにおける流れ場と音場シミュレーション
ヒートポンプサイクルとは、機器回路の中で循環する冷媒の凝縮?蒸発過程を通し、周囲との熱交換を行うものである。冷媒制御とは、このヒートポンプサイクルの中で、冷媒の狀態?流量をコントロールし、機器の信頼性を確保しながら熱を必要な箇所に必要な量、移動させる技術である。
機器の信頼性の確保のためには、冷媒と同時に機器回路の中を流れている冷凍機油の挙動が重要となるため、この2つの物質をいかに意図通りにコントロールするかが技術的なコアとなっている。
特にビル空調の分野では、複數臺の室內機が1臺の室外機に接続されたマルチシステムが一般的であり、さらに冷暖フリーと言われるシステムでは冷房を行う室內機と暖房を行う室內機が混在した運転が可能である。このようなシステムでは非常に複雑な冷媒制御が行われている。
これまで、冷媒制御の高度化により機器の大容量化や高機能化が実現されてきたが、近年のさらなる省エネや快適性への要求の高まりを受け、それらに応える冷媒制御として、室內機と室外機の協調を強化した省エネ制御(図參照)や、冷媒挙動のモデルを駆使した動作最適化の研究開発を行っている。
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VRTsmart制御(VRV搭載の省エネ技術)概念図
IAQとは、「Indoor Air Quality(室內空気質)」の略である。
空気は人が一日も最も多く體に取り入れる物質であり、この空気には、人々の健康に影響を與える因子が含まれている。例えば、新築した建築材料の中にホルムアルデヒドが多く含まれていると頭痛や吐き気を引き起こす癥狀(シックハウス癥候群)が出やすくなる。また、花粉などが含まれているとアレルギー癥狀が出やすくなってしまう。IAQ技術は、室內空気を良くし、人々の健康を維持?向上させる技術である。具體的には、加濕?除濕を換気と同時に行うデシカント技術。脫臭?除菌を目的として、ガスや菌の分解?除去を行うストリーマ技術。 更にはこの技術を使って、「空調機內を清潔に保つ」ことにも取り組んでいる(2018年発売、ラウンドフローカセット)。また、空気質の見える化(センシング技術開発)とそれを応用したソリューション開発や、人間狀態をモニタリングして溫度?濕度?気流?壁溫?空気清浄度をコントロールする新たな環境制御技術の開発にも取組んでいます。
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高性能エアフィルタは従來、半導體デバイス産業に代表される電子工業分野での使用がメインであった。しかし製薬?食品?病院等クロスコンタミネーションやバイオ汚染を嫌う領域への適用が一般化するとともに、昨今では室內空気質の清浄度高まりを受けて使用領域が拡大している。ダイキングループはより「きれい」で「安心」できる空気をデザインするだけではなく、高性能エアフィルタの省エネ?TCO低減技術にも取り組んでいる。例えばダイキングループが取り組んでいる內容としてはダイキングループが量産化に成功したナノファイバ技術である多元系フッ素樹脂メンブレン技術を深化させ、更なる低圧損?長壽命を両立するエアフィルタろ材開発を進めている。例えば従來のガラス繊維HEPAろ材は、ろ材圧損が約300Pa@5.3cm/sec、繊維徑が0.5~1.0μm、孔徑約3μm、厚みは約300μmというスペックであった。対して最新技術を使った多元系フッ素樹脂HEPAろ材は、ろ材圧損が約150Pa@5.3cm/secで繊維徑は0.05~0.2μm、孔徑が約1.5μmであり、厚みに関しては従來の3分の1である約100μmとなっている。
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確かな環境負荷対策のもと、確実性が求められるパーツ類の品質を高めています。
自動車ならではの厳しい要求に対し、フッ素化學製品は優れた耐熱性、耐燃料性、耐候性等を発揮する事で多くの自動車部品に使用されています。
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多彩なフッ素化學製品が「電子機器の心臓部」と言われる半導體の品質を守っています。
わずかな異物も許されない世界で、高純度で耐薬品性、クリーン性、シール性に優れるフッ素樹脂やフッ素ゴム、プロセス材料など、高品質なフッ素化學製品が役立っています。
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フッ素化學製品は、進化を続ける情報通信分野の最先端で活躍しています。
特異な電気特性や光學特性、優れた防汚性や滑り性を持ったフッ素化學製品は、日々進化する情報通信機器の発展に欠かせない存在です。
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環境負荷の低減や新エネルギー技術にもフッ素化學製品が貢獻しています。
フッ素化學製品はそのユニークな特性(電気特性?撥水性?耐候性?耐薬品性?耐熱性)を生かし、さまざまな再生可能エネルギー、新エネルギー、省エネなど活躍の幅を広げています。
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フッ素の機能が現在の我々の生活を支える技術として利用されています。
フッ素の「液體を弾く」「くっ付かない」「汚れない」技術が一般住宅から醫療現場まで様々な場面で利用されています。
ダイキンフッ素化學にしかない高い技術と信頼性が化學原料から生活環境を支えています。
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ダイキンの冷凍?冷蔵分野の技術において、溫度制御と鮮度保持による食の安全?安心?安定供給と省エネへの貢獻を果たしている。従來から技術が高度化する事で更なる価値提供ができるようになったのだ。例えば冷凍冷蔵倉庫の溫濕度維持。デフロスト時の溫度上昇抑制や加濕機能による低溫化、低溫環境下での濕度制御が可能となった。次に冷凍冷蔵機器の更なる省エネ。これはデフロストの効率化や冷凍域での省エネを大きく助ける技術だ。また最も重要といっても過言ではない食の安心?安全や貯蔵物の長期鮮度保持も技術向上によって従來より良い狀態で行えるようになった。具體的には青果物鮮度維持のための空気質制御(CA、自動換気、エチレン除去etc)、抗菌、防カビ、急速冷結(-60度対応、マグロ冷凍etc)である。この様な価値提供を実現する為には必要な技術がある。例えば鮮度保持においては凍結時/解凍時の品質劣化の防止技術。更に長期鮮度保持には鮮度を保持するためのセンサーや冷凍冷蔵の新技術??咕?、除菌、殺菌、自己洗浄材料も必要であり、これらの実現のため、ダイキン內部に留まらず、新しい技術獲得のため外部協創に取り組み食の安全?安心?安定供給と省エネで世の中に貢獻し続けます。
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常に時代の先端をいく高度な技術が要求される醫療機器などの分野においても、ダイキン獨自の「精密加工技術」でニーズに応え続けている。例えば空調で培った圧縮機技術とインバータ技術を取り入れる事により、業界トップクラスの快適性を実現。在宅酸素療法を行っている患者さんの自宅でのくつろぎや快適な外出をサポートするために、使いやすさを考えた在宅酸素醫療用機器を製造?販売し、患者さんのQOL(クオリテ?!ˉ帧ˉ楗ぅ眨─蜗蛏悉蛑г筏皮い?。例えば酸素濃縮裝置では省エネ設計インバータ技術と高精度加工技術を融合させることで、圧縮機の制御を最適化。業界トップクラスの省エネを達成。また靜音設計圧縮機に搭載した4ヘッドの位置を最適化することで、各ヘッドが動くことで発生する振動を互いに打ち消すことでスムーズな回転運動を実現し、業界トップクラスの靜音性を達成した。更に省エネや靜音性だけでなく高精度加工技術と表面処理技術を融合させることで、オイルレス圧縮機としては業界トップクラスの長壽命(20000時間)の機器として安心して長く消費者に使ってもらえる仕様となっている。また在宅醫療機器として重要であるコンパクトさも実現。酸素濃縮裝置専用4ヘッド圧縮機を自社開発することで、小型?軽量においても業界トップクラスを誇っている。
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電動機高効率規制やIoTなどが世界的に進む中、産業機械の大幅な省エネ?高性能化?高機能化のニーズに応え、空調のモータインバータ技術ベースに油機獨自のブラッシュアップを行い、ハイブリッド油圧商品へと展開している。例えば、モータを高応答に可変速させ、必要な時に必要なだけ油を吐出するリアルタイムデマンド制御と圧力保持時に油の漏れを補うだけの極低速運転を可能としたことにより、高い省エネ性や低発熱を実現している。また、最先端のIPMモータ搭載により、モータ自身も小形?コンパクト?高効率を達成している。また流量が不要な時はポンプ回転數が低下することで、低騒音も実現した。モータ回転數、圧力センサのフィードバック制御に加え、獨自の圧力?流量制御アルゴリズムにより油溫依存に左右されていた指令-流量特性や直線性を改善。暖機運転の大幅短縮、歩留まり向上に貢獻している。また、個別のバラツキが少ないため、機械の初期調整が容易である。ハイブリッド制御のため、既に內蔵の多くのセンサ類を內蔵。これらの情報を內部で処理を行い、主機が利用しやすい內容として通信で取り出すことができるため、予防保全の判斷要素に利用可能である。
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